クロワッサンとフィッシュ アンド チップス

土曜日

 

前日の夜から、彼がしきりに「髪はいつ切るの?」と私に聞いてくる。

数日前に伸びすぎた髪を切りたいと、彼にふとテキストしたからだ。

「分からないけど、早く切りたいかな。」と言うと、「近くのヘアカットのお店知ってるよ。」「高くないし、今日、行ってみたら?」と彼は言った。

仕事も休みで予定もなかったので、午前中に行く事にした。

 

店内はいかにもローカルのヘアカットのお店でおしゃれ感は全くない。店員さんに聞くと、待ち時間が長いかもしれないと言われた。

少し待ったあと、その店員さんが近くで歩いて行けるからと、他の店舗を教えてくれた。

 

教えてもらった店舗で、長かった髪をやっとバッサリと切れた私は気持ちも頭も軽やかになった。

髪を切り終わる頃、他の店舗にいる事をテキストしていた彼が朝食と散歩後にやって来た。

彼は私を見つけると、ニコニコして"Hey"と軽く声をかけた。

髪を切り終えて、お店を出た私に彼はクロワッサンを一つ渡した。

”Good”と言って、後ろ髪を髪をクシャクシャにしたので笑ってしまった。

その後、”Nice”と付け加えていた。

 

香ばしい焼き立ての香りがするクロワッサンを頬張りながら、私達はリージェンツパークに向った。

 

 

リージェンツパークで彼と私は知っているいくつかの言語の挨拶をしながら、夏の日差しの中をゆっくりと歩いた。

夕方はソーホーのチャイニーズレストランでヌードル食べない?と彼がつぶやくように私に聞いた。私は答えるともなく、うなずくように返事をした。リージェンツパークで休憩をしながら散歩をしてピカデリー・サーカスまで歩いた。

途中、パブに寄って一皿だけフィッシュ&チップスをオーダーし、シェアして食べた。

 

チャイナタウンで私を見失った彼は、どこかのパブにふらりと入り待っていた。私が彼を見つけた時、イライラしてるのが見てとれた。

あまり治安が良いとは言えない道に、彼が止めたにも関わらず私が行った事に怒っているようだった。

その後、口論になり喧嘩をしてしまったので、チャイニーズレストランのヌードルはお預けになった。

 

帰宅後、彼に手紙を書き渡した。

彼の滞在先に二人で戻ったものの、私は夜はふて寝をして、朝早く仕事に出かけた。

 

次の日、彼から昨日読んだ手紙を今日はもう二回読んだとメッセージがあった。

彼からの返事は長文のテキストで、愛情に溢れた内容だった。

加えて、「今日、仕事が終わったら5分でも良いから会えない?今日の朝、ハグが出来なかったから。」とのメッセージも最後にあった。

私は、メッセージのお礼と今日はやる事が多く会えないと返事を返した。

そして、ハグは次までとっておく事にした。

 

追記:クロワッサンのお店は私は行っていないのでどこかは不明です。

パブはふらりと立ち寄り食べたので、ここも不明ですが、時折行くパブでも美味しいビールと食事が揃っていてここはおすすめです。

www.greeneking-pubs.co.uk