Chicken Soup
木曜日。私はこの日まで予定が山ほど詰め込まれて、忙しい一週間だった。一方、彼は参加していたプロジェクトが終わり、次のプロジェクトに参加するまでの一週間、オフだった。
彼がパソコンの機材を貸してくれるという事になり、私のフラットまでその機材を運んでくれる予定だった。
前日、彼から「木曜日に機材運んでも大丈夫?」とテキストがあり、私は「大丈夫だよ。」と返事を返していた。
昼過ぎまでバタバタとしていた私は、夕方にひと段落して帰宅した。
彼から、今から機材を準備すると連絡があったのが夕方4時過ぎくらいだった。
彼が私のフラットに着いたのは夜の10時。
Uberで到着した彼は、フラットのベランダから彼の到着を確認した私を見つけると、私の名前を呼び、子供みたいに両手を振りながら、「きます!」と日本語で言った。その様子がとてもLovelyだった。
2階にある私の部屋まで機材を運び終えると、彼はセットアップをする前に白ワインのボトルをバッグから取り出して、「グラスある?」と聞いた。
キッチンからグラスをふたつと、前に買ってあったデーツをガラスのお皿に入れて出した。
グラスとお皿を彼に差し出すと、嬉しそうにデーツを眺めてからグラスにワインを注いだ。
一つは私に渡して乾杯をし、一口だけ飲んで取り掛かり始めていたセットアップの続きを再開した。
その後、ワインを時々飲みながら機材の説明をしてくれた。
取り付けを全て終えた彼は、私に聞いた「お腹空いてる?」と。私が「インスタントヌードルならあるけど。」と返すと、彼は「う~ん・・」と呟いて、「僕のフィッツロビアの滞在先に行かない?君のベッドは二人で寝るには狭いし。」と返した。
私は少し考えてから、「そうだね。行こう。」と答えた。
再びUberを呼んで、彼の滞在先に着くまでに次に参加するプロジェクトの話をした。疲れた彼は私に膝枕されながら、あれこれと仕事について教えてくれた。
フィツロビアに着く頃にはレストランもバーもほとんど閉まっていた。レストランでの食事を諦めた私たちは、彼が買ってあったスープヌードルの缶を二人で食べる事にした。器に移して電子レンジで温め、スプーンを一つ付けて出してくれた。温かくて、優しい味で深夜の夕食にはちょうど良かった。
持ち帰った残りの白ワインを飲みながら、私たちはまた延々と映画の話をした。
※思い出せないのでこのテイストではないかもしれませんが、同じブランドのチキンスープは何種類かあり、どれも美味しいです。