Zizzi

 

土曜日。

新しい借り住まいは待ち合わせ場所のオクスフォード サーカスからすぐの所だと彼が教えてくれた。

夏のロンドンは夜7時でもまだ昼間の様に明るい。

 

最寄り駅のオクスフォード サーカスに着いた事をテキストすると、彼から“H&M“と返事が来た。

私は改札を抜けるとH&Mに向かった。近い出口を探すのに少し迷ってH&Mに着くと、彼は私が想像していた場所にいた。彼は私に会うなり言った。“When we meet at Oxford Circus. It means here, does it?” (僕たちがオクスフォード サーカスで待ち合わせする時の場所と言ったらここでしょ!)と。

 

私達がオクスフォード サーカスで待ち合わせたのはこれで2回目だった。1回目は私が1ヶ月ほどホリデーで日本に帰っていて、ロンドンに戻った時で、彼もドバイとタイでホリデーを過ごした後、仕事先のドイツから戻ったばかりの時だった。一年程前になる。その時の待ち合わせ場所が、このH&Mの前だった。当時、久しぶりに会えたのが二人とも嬉しくて、彼は立ち寄ったカフェで、まだ時差ボケでボーッとしている私の写真を真剣に撮っていた。私は、いつも結んでいる髪をおろしているのが珍しいのかな、などと考えながら彼の様子を眺めていた。そんなこともあり、私達は前回の事を良く覚えていた。

 

2回目の待ち合わせ場所となったH&Mの前で私達は、「お腹空いてる?」と聞きあって、彼も私もあまりお腹が空いていない事を確認すると、オクスフォード ストリートをブラブラと歩き始めた。目的地はないので、ただショーウィンドウを眺めたりして、話をしながら歩いた。

 

しばらくすると、彼から「夕食はイタリアンにする?」と提案されたので、私達は彼が以前行ったという、少し先にあるカジュアルなイタリアンレストランに行く事にした。

 

レストランは週末にしてはあまり混んでおらず、私達はワインを一杯ずつ頼むと、メニューを眺めながら何を食べるか話し合った。彼はチキンのグリルにサラダが付いたもの。私はリゾットに決めた。注文する時にメニューのイタリア語発音が分からなくてウエイターさんに聞いたものの、ウエイターさんも英語の発音しか分からず、結局、名前が分からないまま注文して二人で苦笑いしていた。

 

彼が注文したグリルも私のリゾットも程よい味付けで美味しかった。二人で少しシェアして食べたけれど、私はリゾットが多過ぎて残してしまった。リゾットを残さずに食べるのは、私にはいつも難しい。

 

聞けば彼は昼食もイタリアンだったらしく、その時はピザを食べたそうだ。ピザ以外もあるからここを選んだそうだ。ちょっと不思議な理由。イタリアン以外にもレストランはたくさんあるのに。イタリアン好きだけど。

 

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